産経新聞2002年8月14日「産経抄」より抜粋 |
---|
韓国が日本の領土・竹島(韓国名・独島)とその周辺海域を、国立公園に指定する方針で検討しているという。日本の外務省は「遺憾の意」を表しているようだが、これはわが国土が勝手にもてあそばれていることである。遺憾の表明ぐらいで済む問題だろうか。 例の金完燮(キム・ワンソプ)氏の勇気ある著書『親日派のための弁明』では、「独島(竹島)は日本の領土」と明言していた。そして日本がらみで韓国が我(が)を張っている代表的な例として「日本海」を「東海」と呼び、竹島を韓国の領土と主張していることを挙げていた。 「海外の見解をみても圧倒的に日本の立場が認められているのが実情で、韓国の領土だと考える国は世界に一つもない」と指摘する。韓国はごり押しする国というイメージが国際社会に定着すれば結果的に損になるだけだ、といってくれているのである。 しかし同書は“有害図書”だから聞く耳なんぞ持たぬ。どんどん既成事実を積み上げていく。それが韓国の方針だろう。サッカーW杯では大いに友好親善ムードが盛り上がったのにという人がいるかもしれないが、逆である。W杯で盛り上がったからこそ韓国は強い対日要求にでる。 なぜならサッカーという“代理戦争”において日本に勝った。日本を抜いた。その民族的快感が強烈な自信と優越感に転化し、日韓関係に作用する。教科書であれ、靖国であれ、はたまた歴史認識であれ、甘い期待や幻想は捨てた方がよろしい。 W杯では「同じアジアの一員として韓国を応援しましょう」などという歯の浮くようなテレビの偽善があった。それが韓国嫌いを増やしたという皮肉な見方もある。宴(うたげ)の後の二日酔いはきつい、と相場は決まっているではないか。 |