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Kirin's room

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【1日目】 【2日目

 今年の5月は雨の日が多い。しかし日ごろの行いがいいせいか、今日1998年5月23日(土)は雨の心配をしなくてもよさそうだ。朝、目覚ましよりも早く目がさめた。時間は4時。出発予定時間は7時だけど、昨日早く寝たおかげでこんなに早く起きてしまった。とりあえず時間があるので荷物を作ることにした。それでも時間があるので WebやNEWSなんかを見て時間をつぶした。
 時間になったので家を出発。途中までは順調にこれたけど、常磐道でなんと事故渋滞が11Km。後で聞いたんだけど、トラックが側壁に激突して炎上してたらしい。後処理にも手間取ってこんな渋滞になったんだって。ここで予定が大きく狂った。予定では水戸インターを降りる時間が9時頃だったのに、実際には9時半だった。10時から開講式があるのにこれでは絶対間に合わない。それなりに一般道を飛ばしてツインリンクもてぎのいつも使ってる東ゲートに10時5分頃に着いた。

 初日の会場となるアクティブセーフティトレーニング場に着くと他のオーナーさんも予想通り渋滞に巻き込まれて遅れてるみたいだ。小生が5番目に着いたみたい。とりあえず開講時間の時間が10時半に延ばされた。なんと特別講師である清水和夫さんもまだ着てないそうだ。予定時間になったので清水さん抜きの講義が始まった。講義の間にもオーナーさん達が続々とやってくる。清水さんもやっと来られた。

 最初の講義はNSXの開発の責任者である上原繁さんだ。以前のオーナズミーティングの時にも会ったことがあるけど、お話するチャンスがなかったのだ。 しかし今回の参加人数はなんと9人なので、話す機会ができたのだ。上原さんの講義の後は、清水さんのお話なのだ。車の挙動をわかりやすく説明してもらって、うんうんとうなづくだけだった。

 講義の後は昼食をメインスタンドのVIPルームで取った。その際に清水さんとランエボVのことやフェラーリ、ポルシェのことで他のオーナーさんとわいわい話をした。 いつも思うけど、レーシングドライバーと直接お話する機会なんて、普通できないと思う。それがこのオーナーズミーティングでは当たり前のように会話することができるのだ。 昼食後、早速、アクティブセーフティー・トレーニング場にて、フルブレーキの講義が始まった。

 最初は60Km/hからのフルブレーキ。ブレーキポイントから先の路面は水がまかれているので、滑りやすくなっているのだ。ABSが動作するまで一気にブレーキを踏むのだ。前にもこのベーシック・コースのオーナーズ・ミーティングを受講して体験しているので、初めから一気にフルブレーキ状態に持ち込むことができた。最終的には90Km/hでのフルブレーキの体験を行った。ここで重要なのは、スピードが速くなれば速くなるほど制動距離が長くなり、路面がウエットではさらに伸びるということだ。そうそう、講義の時に清水さんが言ってたけど、ABSはフルブレーキ状態でもハンドル操作ができるというのをCMや雑誌などで言ってるけど、あれは間違いだそうだ。 ABSはあくまでも、タイヤをロックさせずに車の姿勢を安定した状態で止めることができるためのシステムで、ハンドル操作をするためではないと言ってたよ。わかったかな!?

 次はスキッド講義だ。以前、説明したことがあるけど、このスキッド講義は低μコースを使い、ある個所を後輪が通過するときに、左右どちらかに路面が動いて車を強制的にスピン状態に持ち込む設備を使うのだ。以前この講義ではスピン状態を立て直せずにクルッっと回って止まることが多かったけど、今回はなんと10回以上挑戦してたったの1回だけだった。これは確実に運転技術が向上していることの証明ではないでしょうか。でも油断しないことだ。でも、ちょっちだけうれしかった。初めてこれを体験するオーナーさんは案の定クルクル回っていた。初めはみんな回るんだよ。ここで重要なことは、スピードが速くなれば速くなるほど立て直すのが難しくなるのだ。雨の日はスピードを控えましょう!

 次はロードコースを使っての高速コーナリングの講義だ。パドックに入って、そのままピットロードへ。グランドスタンドやパドックには一般客がいる。 先導車を含めて12台のNSXが隊列を整えてピットロードに姿を現すとみんなの目は当然のことながらこちらの方に集まる。なんか優越感がこみ上げてくる。 ロードコースを走る前に注意点を確認して、10台のNSXを2グループに分ける。参加人数が9人なのに何で10台なのかというと、上原さんが飛び入り参加されたからなのだ。後になって上原さんの運転技術がかなりのレベルだということを知ることになったのだ。

 ゼッケン1〜5までが Aグループ。6〜10までがBグループ。30分交代で先導車の後についてもてぎのフルコースを走るのだ。Aグループが走っている間にBグループは、清水さんのNSXに同乗走行することになるのだ。小生のゼッケンは3番。Aグループだ。Aグループはサーキット走行経験者の組として分けられた。コースイン後2周は慣熟走行をかねたオーナーさんの同伴者乗車の走行をした。それでもサーキット走行経験のない人にとってはかなりのペースだったと思うよ。2周終了後、本格的に走ることになった。といってもタイムを出すのが目的ではないので、ブレーキポイントも早く、スピードもそんなに出てなかったよ。と言っても、さっきも言ったけどサーキット走行経験のない人にとってはかなりのペースだったと思う。慣れというのは重要だね。先導車のラインをトレースするように5台のNSXがコーナーを駆け抜けていく。5,6周走った後、同乗走行の時間となった。これが楽しみのひとつなのだ。

 プロドライバーの走りを体験できるということはものすごく貴重な体験だと思う。清水さんの運転するNSXに同乗するのは今回が初めてなので、とても嬉しかった。毎回プロドライバーの運転を体験して思うことは、ブレーキの初期制動力とコーナリング姿勢の違いだ。 こればかりは言葉では表すことができない。それほどすごいのだ。 一般道でしか車を運転したことのない人たちに、こればかりは伝えようがないのだ。また、サーキットを走ったことがある人でも、ある程度のレベルで走れてる人意外の人も同じことが言えると思う。次元が違うのだ。特にNSXはフロントが軽いので、きっちり荷重をフロントに乗せてあげないと高いスピードでコーナリングできないようになってるのだ。間違ってるかもしれないけど、NSXの運転の真髄はここにあるんだと思う。

 フロントに荷重が乗ってる時にステアリングを切り始めると、リアが外にはらもうとする(いわゆるオーバーステアという状態)ので、それをお尻で感じながらステアリングで修正して、クリーピングポイントまでもっていき、後はなるべく早くアクセルを開けてコーナーを立ちあがるようにするのがいいのだと思う。ただし、いきなりアクセルを開けると危ないっす。この考えって間違ってるかもしれないけど。。。

 減速時使うテクニックとしてヒール&トゥ(トゥ&ヒールと呼ぶ人がいるけど)があるけど、このヒール&トゥは、エンブレをブレーキと一緒に使ってでスピードを落とすために使うテクニックだと言う人と、コーナーの立ち上がりのために最適なギアにしておくためのテクニックだと言う人がいるけど、小生は後者だと思ってる。

 高速コーナリングの講義のあとは、スーパースピードウェイ(SSW)のストレートを使っての高速ブレーキング講義だ。ブレーキング講義を始める前に、SSWを周回した。あのような速度(180Km/hのアクセルオフ)でコーナリングしたことがなかったので、めちゃめちゃ怖かった。壁が迫ってくるのだ。それはもう恐ろしいじょ。CARTドライバーはよくこんなところで300Km/hでコーナリングするわ。今回の周回では、1コーナー(Rの大きい方)の飛び込みは180Km/hからのエンジンブレーキで進入するのだ。怖いじょ。初めの2,3周は怖くてブレーキを少し踏んで160Km/hくらいにしてから飛び込んでたけど、終わりの方では、ちゃんと180Km/h のエンジンブレーキで進入できたよ。何回も言うけど怖かった。 SSWの周回が終わると、本題の高速ブレーキングの講義。バックストレートからスタートして3,4コーナーを周ってメインストレートのパイロンでフルブレーキ。 まずは、120Km/hでのフルブレーキ。問題ないね。次は130Km/hだ。ここで問題発生!唯一、ATのNSXで参加されてた方のABSが作動しなくなりタイヤロック状態でのフルブレーキとなってしまった。 残念ながらこのオーナーさんはここでリタイア。幸いなことにNSXの開発の親である上原さんがいたので、その場で原因究明となった。残った8台で講義再開。じょじょにスピードを上げていき、最終的には180Km/hリミッタ状態からのフルブレーキ。ブレーキがフェードしていたせいもあるけど、制動距離がのびのびの115Mで停止。一般道よりもμの高いサーキットの舗装でこれだから、一般道ではもう少し伸びるんじゃないかな!? それにしても180Km/hからのフルブレーキングなんて普通体験できないよ。

 今日の講義はここまで。ツインリンク内にオープンしたホテルにチェックインしてシャワーを浴び、レストランでパーティーが開かれた。パーティーといっても単なる夕食会みたいな感じだけどね。 パーティーの席で他のオーナーさん達の正式な紹介とNSXについて一言ということになった。小生が座った席の隣には清水さんが座られたので、色々お話させてもらった。料理は中華だった。おいしかったじょ。他のオーナーさんともすっかり打ち解けて楽しいパーティーとなった。パーティー終了後は、それぞれ部屋の戻って明日の講義に備えることになった。 この時点で午後10時ごろ。1時間ほどテレビを見て、眠くなったので寝た。

1998/05/23(Sat)-05/24(Sun)

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